スタッフもお客様も、みんなが映画の主人公。

主人公ばかりじゃ映画にならないですけどね。例えばアシスタント物語という映画が作れるかもしれません。人生の物語です。高校を卒業して、専門学校へ行って、成功して、映画のワンシーンを作っていこうよ、と。そういうのが、みんなが映画の主人公ですね。

人生はやはり物語ですから。物語の特徴として、例えばイケメンで、あるいは美人さんで、そして頭が良くて、親がお金持ちで…、そういうのでは、誰も読んでくれないでしょう？

自信がない、お金がない、才能がない、そして人生いろいろなものに躓きながら、段々と成功していく。そういうものが読者を惹きつけるんです。君たちは、不器用でもいいんだよ、努力して、壁にぶち当たったら、乗り越えればいいんだよ、最後に感動があればいいんだよ、と。

そういう意味があって、みんなが映画の主人公です。

あともう１つ、お客様にも映画のようなワンシーンを。

お客様の人生にも物語があるじゃないですか。美容室に来て、自分のコンプレックスが現れる、それが変身することによってキレイになったら、自分の人生が明るくなる。

映画のワンシーンです。

一番嬉しかったことは、去年もそうだし、今年もそうなんですが。

5年前から単独で井戸掘りしてるんですよ、アフリカで。とても汚い水を飲んでいた人たちに、社会貢献ができたかなと。井戸を提供したことによって村人から歓迎を受けたんですが、こんなちっぽけな自分でも町のただの美容師。ただの経営者なんですが世界に出てアフリカに行って、そういう人たちの役に立てた、今まで生きてこれてよかった、そう思いました。

例えば、オーナーになることで年収が上がり必要以上の贅沢をする、そういうことで満足する人もいるでしょう。でも自分はそういう物には全く興味がなくて、「自分が何のために生きてるのか」、「何ができるのか」そういうものを考えた時に浮かんだのがアフリカでした。

さらに去年ベトナムのホーチミンで、人口は8800万人で東京よりちょっと少ないくらいなんですが、300人住んでいる孤児院でボランティアカットしてきたんです。うちの社員を連れて。

それでまた今年も行ったんですが、我々のことを子供たちが覚えてくれていたんですよ。孤児院だから子供達にはお父さん、お母さんがいなんです。そういう子供達に夢を与えられた、「ありがとう」と言われたということ…その時に元気を貰えたし嬉しかった。最近嬉しかったのはそれですね。

先月ホーチミンに店も出したんです。スタッフは日本人とベトナム人。そういう海外で活躍したい人も募集してます。自分に自信がない人も、うちに来たらきっと自分に自信を持てるかもしれません。

そうですね、分かりやすく言うと、壁は乗り越えるためにある。壁はあなたが乗り越える能力があるからこそ、そこにあると思っています。

そもそもずる賢い人というのは、壁を無意識にすり抜けるんです。

楽な方、楽な方へね。壁を乗り越えないんです。

普通の人よりちょっと学歴が高い人は、能力があるので先見の能力も多少あるんでしょうね。だから壁にぶつからないようにうまく自分の人生を、目先の焦点で行くから壁がないんです。ある意味、頭がいいというか。目先に関しては頭がいいんでしょうね。

そうでない人って目先の壁が見えないんです。その状況に直面して初めてこんな壁あるの、みたいな。でもそこで、皆、挫折しちゃうんですよ。これは無理だと。

無理だと思うのではなく、壁は乗り越えるためにあると捉えたほうがいい。そう思います。